取り組み

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地域の皆様に愛される安全で質の高い病院づくりに日々取り組んでいます

西条北包括

認知症にやさしいまちづくり~芸陽バス編~ 2025/02/01

「認知症にやさしいまちづくり」

認知症は特別な病気ではなく誰もがなり得る脳の病気であり、家族や友人、自分自身も含め身近な病気です。20245月厚生労働省が公表した統計によると、65歳以上の高齢者の12.3%、約8人に1人が認知症です。年代別だと80代後半で41.4%、95歳以上では79.5%の方が認知症であると報告されています。

近年、最もなりたくない病気として認知症があげられており、多くの人が恐れている病気です。その要因の一つとして介護が必要であることや興奮・怒るなどの偏ったイメージあり、当事者や家族自身もなかなか相談できず抱え込むケースが多数あります。もちろん予防のための生活習慣は大切ですが、身近な脳の病気「認知症」について正しく理解し、ともに共生できる社会や地域であることが、これからの社会にとって重要です。

症状として、中核症状(脳の機能低下による直接起こる)と周辺症状(環境要因・身体要因・心理要因などの相互作用の結果として生じる様々な精神症状や行動障害)がありますが、正しく理解し、接し方を工夫することで症状の改善や当事者、ご家族の負担軽減につながります。

その取り組みとして、認知症サポーター養成講座を開催し、地域の方に正しい理解や対応方法等についての普及啓発を行っています。認知症サポーターとは、偏見を持たずあたたかい目で見守る、さりげなく声かけする、気にかける、必要に応じ相談機関を伝えるなど、当事者やその家族の「応援者」としてそれぞれの立場で無理なくできることをする人です。

令和4年の地域包括支援センター委託開始から、これまでにたくさんの方とご縁をいただき、計45件の学校・企業・団体、サロン、医療福祉機関等、計578名の認知症サポーターが誕生しました。※写真のせる:サポーターの証であるステッカーやリング

認知症を正しく理解し、私たちの身近なお店や地域で日常的にさりげない見守りや言葉がけが通い合うことで、認知症になっても当事者や家族が安心して笑顔で暮らせる、そんなあたたかい地域実現のため、これからもたくさんの方と手を取り合い優しいネットワークを広げていきたいと思います。皆さんも地域のお店などで目印のステッカーやリング、バッジを探してみてください。



〇芸陽バス株式会社 取締役 安全統括部長 田中さんを取材してきました!

・普段のお仕事内容▶運転士の指導・育成、運輸安全マネジメント推進

バスを利用されるお客様の中には、ご高齢の方が多くいらっしゃいます。「おかしいな」「認知症かも?」と気づいた時、運転士が認知症を正しく理解し、適切に対応することができれば、お客様の安全を守り、接客・接遇の向上につながるのではと感じ、2016年から運転士を中心に、当職員に認知症サポーター養成講座の受講をはじめました。

新入職員研修時に、社内で認知症サポーター養成講座を行うことを目的に、2018年に認知症サポーター養成講座のキャラバンメイト(講師)研修を修了しました。202411月現在、9割以上の職員が認知症サポーターとして地域を見守っています。

 この取り組みをはじめて23倍の行方不明者の発見があり、認知症サポーター養成講座の大切さを改めて感じました。また、認知症の家族がいる職員への理解も高まり、職員全体でサポートできるよう取り組んでおり、地域を見守り、職員を支える会社をめざしています。

★田中さんよりコメント

「講座を受けたことで運転士の意識も変化し、接遇向上につながっていると思います。認知症かな?と感じた時の対応として、社内ルールを設け、職員・関係機関・警察・乗客の協力を仰ぐなど工夫しています。特別なことをしなくてもいいんです。正しく理解し見守る、助けてくださるプロの方につなぐ、これが私たちにできる役目だと思っています。また、認知症の方がいるご家族さま、抱え込まずいろんな人に話をして、何かあったらすぐに警察や包括支援センターに連絡をしてください。」